２型糖尿病を対象にした生活の質（QOL）質問表の作成とその臨床応用への展望

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  • Preparation of a Quality of Life (QOL) Questionnaire for Patients with Type II Diabetes and Prospects for Its Clinical Application
  • Preparation of a quality of life (QOL) questionnaire for patients with type 2 diabetes and prospects for its clinical application

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抄録

年々増加の一途を辿っている糖尿病患者の治療は，食事療法を中心とした生活習慣の改善が有効と実証されている．しかし，生涯にわたる治療は患者の肉体的および精神的苦痛，さらには経済的負担を余儀なくし，治療中断や放置等のために脱落患者が多発する．その結果として病状悪化が助長される．本研究では連続表記法を用い独自な「２型糖尿病のためのquality of life（QOL）質問表」を試作した．同質問表の信頼性ならびに妥当性を検討する目的で，福岡県内の大学病院および公的病院８ケ所に入院および通院中の２型糖尿病患者126名（男性64名，女性62名）を無作為に抽出し，有効回答が得られた73名を対象に解析した．有意相関の認められない，ないしは無回答の多かった質問項目は46質問項目から除外した．標本の妥当性をKaiser-Meryer-Olkin（KMO）の適切性基準で検討した結果，測度値が0.673と算出されたので“並み”の妥当性が得られたと判定した．統計処理パッケージStatistical Package for Social Scienceを用いvarimax 回転による因子分析を行ったところ，18質問項目からなる４因子が抽出された．最終的にはこの4因子18質問項目を2型糖尿病のためのQOL 質問表として採用した．各４因子のalpha係数は0.867，0.795，0.706，0.756と高値を占めた．この結果から内的整合性が確認され，本解析法の信頼性は十分に確保できた．

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