砂防ダムおよび水叩の設計に関する基礎的研究

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タイトル別名
  • Fundamental Study on the Design of Debris Dam and Apron
  • サボウ ダム オヨビ スイコウ ノ セッケイ ニ カンスル キソテキ ケンキ

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砂防ダムおよび水叩(水叩エ)の設計の合理化に重要な指針を提供するものとして,本研究では水叩コンクリート面に生ずる侵食痕跡に着目し,まずこれについての現地測定を,裁か国有数の土砂生産量を持つ天竜川上流々域内の114個所で行い,浸食部の開始点,最深点,終了点を各個所ごとに明らかにし,その後一部を再測して侵食の推移を示すとともに,水文観測値との対比から,侵食には大洪水のほか中小洪水も相当に関与することを示した.次に,模型水路実験を行い,渓床石礫のダムからの落ち方については,個別,集合の各落下間に大差がなく,石礫の質量が大きいぼど落下位置はダムに近く,それらは,一定関係で表われること,さらに水叩面に生じる侵食については,その形状と石礫の落下位置の分布が一致することより,侵食が流水ではなく石礫の衝突により形成されること,また侵食量は落下石礫の個数および質量の各々と比例し,水叩材料の圧縮強度とは負の相関関係を示すことなどを明らかにした.続いてこのような侵食の特性を考慮して,まず現地測定値をもとに,侵食の開始点まで砂防ダム下流のりを張り出すことにより,下流のりをより緩勾配にできること,またダムから侵食の終了点の位置までを必要な水叩の長さとして,この長さを従釆より短くできること,さらに侵食の最深点の探さに基づいて,水叩の厚さを必栗に応じて標準値以上にしなければならないことのそれぞれを,この流域における具体的な値とともに示した.次に,理論的な解析として,この現象にかかわる右礫のダム上の流送およびダムから水叩面の各地点への落下,侵食量に関与する落下石礫の運動エネルギーなどについての物理モデルを用いて,侵食形状を求める理論式を誘導し,この式の計算結果をもとに,これを砂防ダム下流のり勾配や,水叩の設計の基礎式として用い得ることを示した.最後に以上の考察をもとに砂防ダム下流のり勾配を,従来の定数から変数に換え,ダムの最小断面形を求める方法を線形計画法を応用した図解法により示すとともに,この方法によれば従来より断面積が平均1割程度減少し,また下流のり勾配に許容範囲が存在する場合も,これを付帯条件として,同様に解を求め得ることを明らかにした.

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