細胞式皆伐作業法適用林における造林木の残存率と樹種,殖栽年度及び立地因子との関係解析

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タイトル別名
  • Analysis of Relationships between the Survival Rate of Planted Trees and Species, Planted Year, and Topographic Factors in the Clearcutting System in Blocks Surrounded by Shelter Belts
  • 細胞式皆伐作業法適用林における造林木の残存率と樹種,植栽年度及び立地因子との関係解析
  • サイボウシキ カイバツ サギョウホウ テキヨウ リン ニ オケル ゾウリンボク

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抄録

九州山地奥地林に属する九州大学宮崎地方演習林では,広葉樹天然林からスギ・ヒノキの人工林へ林種転換を図る一方式として細胞式皆伐作業法が1978年度から適用されている.最近,それらの人工林の本数減少が顕著になり,そのために不成績造林地化の傾向が見られる.そこで,それらの人工林の成育状態を調査し,今後の取り扱い上の問題点について若干の検討を試みた.調査対象は,本作業法試験林のうち1979年度から1987年度植栽までの6伐区であり,まず,成育状態を解析し,次いで,スギ・ヒノキの造林適地の判定を行い,さらに造林木の残存率と樹種,植栽年度及び立地因子との関係を数澄化Ⅰ類によって解析した.適地判定の結果によると,本適用林は地位2及び3等が多く分布するものの潜在的林地生産力を有し,成林可能であることが明らかとなった.成育状態の解析結果によると,伐区により本数減少は著しく異なっており,79年度及び81年度伐区では成林の可能性があるものの,83,84,87年度伐区では部分的に成林の可能性があり,85年度伐区では成林の見込みはないことが明らかとなった.関係解析の結果から,不成績造林地化の主因はシカの食害であって,一部気象害の可能性も考えられた.今後,林業生産を行うには,シカの食害に対する防護策が不可欠であるが,既に不成績造林地化した林分は,シカへの十分な対策を講じつつ何らかの更新手段によって,森林状態へ誘導することが不可欠である.

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