クズの葉の調位運動に関する研究(I) : 小葉の方位調節と葉温の日変化

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タイトル別名
  • Studies on Leaf Orientation Movements in Kudzu (Pueraria lobata) (I) : Diurnal Changes of Leaflet Azimuth and Leaf Temperature
  • クズの葉の調位運動に関する研究(1)小葉の方位調節と葉温の日変化
  • クズ ノ ハ ノ チョウイ ウンドウ ニカンスルケンキュウ 1 ショウヨウ ノ

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抄録

マメ科の蔓植物であるクズ(pueraria lobata)の調位運動の基本型と調位運動による温度低減効果について研究した.本研究では調位運動を表す方法として,太陽光線と小葉で形成される投影面積を推定する方法を考案し,小葉ごとの投影面積の日変化を推定した.この結果,クズの小葉の投影面積は早朝と夕方に大きくなり,日中には小さくなった.このことから,クズの葉は,早朝と夕方には太陽光線に葉面を向けるdiaheliotropism,日中には太陽光線を避けるparaheliotropismの調位運動をしていることが明らかになった.また,小葉の動きには規則性が認められ,側小葉は小葉前部を紬とした回転運動,頂小葉は回転運動と上下運動によって葉の方位と傾斜角度を変化させていることが明らかになった.人為的に固定した葉と自然葉の葉温を比較した結果,自然葉がdiaheriotropismの調位運動を行っている間には葉温差は認められないが,paraheriotropismの調位運動を行っている間の葉温は固定葉よりも最大で4℃低かった.このことから,クズの葉の調位運動には,葉温の低減効果の機能のあることが確認された.

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