分収造林における土地提供者分収金について : 生産森林組合の従事分量配当の損金算入をめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • On the landowner share of profits from the bunshu-zorin (profits-sharing planting system)
  • ブンシュウ ゾウリン ニ オケル トチ テイキョウシャ ブンシュウキン ニ ツイテ セイサン シンリン クミアイ ノ ジュウジ ブンリョウ ハイトウ ノ ソンキン サンニュウ オ メグッテ

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説明

全国3200余の生産森林組合は,その所有林地の約24%を公社,公団等の分収造林に提供している.生産森林組合では,当期剰余金から従事分配量配当を控除(損金参入)することができるが,この原則が生産森組を土地提供者として行われた分収造林の分収金の場合も適用できるかどうか,要するに,分収造林の土地提供者分収金が「地代」であるか,「林業経営の収益」であるかどうかについて議論がある.本稿では,生産森組に関わる分収造林契約書において,土地提供者がどのように位置づけられているかを検討することによって,分収造林配当金の性格と,従事分量配当の損金算入の条件を明らかにした.分収造林契約にみられる特徴の一つは,分収造林木が契約関係者(造林者,資本提供者及び土地提供者)の共有とされている場合が多いことである.このような場合には,造林事業はこれら関係者の共同経営であり,したがって,「分収金」は経営に対する報酬であり,これらを原資とする従事分量配当は損金に算入しても問題は生じない.第二の特徴は,土地提供者に対して分収造林地の管理を義務付けているものが多いことである.造林木が健全に生育するためには土地提供者による日常的な森林管理が必要とされているのであって,その意味では土地提供者は共同経営者に近い立場にあり,この場合も分収金は共同経営者としての果実とみるべきであり,損金算入を妨げない.

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