高齢者の高コレステロール血症に対するProbucolの効果

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  • 澤山 泰典
    九州大学病院総合診療部
  • 前田 晋治
    九州大学大学院医学研究院感染環境医学分野
  • 大西 八郎
    九州大学大学院医学研究院感染環境医学分野
  • 岡田 享子
    九州大学病院総合診療部
  • 林 純
    九州大学病院総合診療部 | 九州大学大学院医学研究院感染環境医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Probucol on Elderly Hypercholesterolemic Patients in the FAST Study

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抄録

【目的】高齢者(75歳以上)の高コレステロール血症患者に対して,積極的な脂質低下療法が頚動脈硬化の進展抑制および主要冠動脈イベントリスク低下が認められるか否かについて検討した.【方法】FASTの対象患者(246例)のうち,75歳以上(76例)と75歳未満(168例)について,脂質低下療法(ProbucolPravastain)および食事療法により,その有効性について頚動脈エコーを用いて評価した.総頚動脈の内膜中膜複合体厚(IMT)を測定し,左右6点のIMTの平均値をIMT値とした.1次エンドポイントは2年間のIMT値の変化率とし,2次エンドポイントは主要冠動脈イベントとした.【結果】Probucol群及びPravastain群では,年齢に関係なく,高齢者においても動脈硬化の進展抑制を認めた.Probuco1群における高齢者のControl群に対する各臨床イベントの相対リスク(95%信頼期間)は総死亡が0.15(0.02-1.28),総冠動脈イベント0.12(0.02-1.04)と有意な進展を認めた.一方,Pravastain群との間では,各臨床イベントの相対リスクに有意差は認められなかった.Probucol群とPravastain群との間では,各臨床イベントの相対リスクに有意差は認められなかった.【結論】75歳以上の高齢者に対してもProbucolは,頚動脈硬化の進展抑制効果が認められ,さらに主要冠動脈イベントの相対リスクの低下作用を認められる可能性が示唆された.

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