菌状息肉症における皮膚病変の多様性と病理組織学的所見 : 予後との関連性についての検討

書誌事項

タイトル別名
  • Various Skin Manifestations of Mycosis Fungoides : Histopathological Features and Prognosis

この論文をさがす

説明

菌状息肉症(Mycosis Fungoides : MF)は,原発性皮膚悪性リンパ腫(Cutaneous T cell lymphoma : CTCL)の約半数を占めるT細胞系のリンパ腫である.臨床経過として,紅斑期,扁平浸潤期を経て腫瘍期に移行するが,その期間は数年から数十年という長い経過をたどり,中にはpoikiloderma様の皮疹を残し,病変が消退する例もある.MF を含めCTCL のほとんどが,緩徐に進行する.近年,このような一連の経過をたどり,その腫瘍細胞が異形を呈しCD4 陽性である場合には,MF と診断される傾向が強いように思われる.2005 年に発表されたWHO-EORTC 分類では,3亜型のみ記載があるが,実際には多くの亜型が報告されており,その疾患スペクトラムは幅広く多様性がある.今回我々は,古典型MF と,稀ではあるが特徴的な亜型,もしくは近縁疾患と考えた3例について,その臨床像と病理組織学的に再考し,また予後との関連についても検討を行った.病理組織学的に表皮内に浸潤するリンパ球の浸潤様式,異形の程度で予後との関連が見られる可能性が示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ