去勢抵抗性前立腺癌の成因と新規治療の展望

  • 塩田 真己
    九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野
  • 横溝 晃
    九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野
  • 内藤 誠二
    九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Etiology of Castration-resistant Prostate Cancer and Perspective about Novel Therapeutics
  • キョセイ テイコウセイ ゼンリツセンガン ノ セイイン ト シンキ チリョウ ノ テンボウ

この論文をさがす

説明

前立腺癌は, 本邦において, PSA検診の普及, 診断能の向上, 食生活の欧米化, 高齢者の増加などにより罹患率, 死亡率ともに増加傾向にある. 前立腺癌の発癌・進展には男性ホルモンであるアンドロゲンとその受容体であるアンドロゲン受容体(androgen receptor, AR)が深く関わっている. 1941年, HugginsとHodgesが, 前立腺癌の増殖がアンドロゲンに依存していることを初めて発表して以来, アンドロゲンシグナルを抑制する内分泌療法は, 今日に至るまで60年以上に渡って広く行われてきた. 本邦で前立腺癌に対して行われている内分泌療法を表1に示す. 有転移患者では, 内分泌療法が第一選択となるが, それらのうち多くは数年後再燃を来たし, 去勢抵抗性前立腺癌と呼ばれる状態となる. 現在, 去勢抵抗性前立腺癌に対する有効な治療法は限られており, いったん去勢抵抗性を獲得すると長期生存は見込み難い. そこで, 我々は去勢抵抗性前立腺癌の成因の解明およびその治療法の開発を目指した研究を行っている. 本稿では, 去勢抵抗性前立腺癌の成因について概説し, 今後上市が期待される去勢抵抗性前立腺癌に対する新規治療法について紹介する. また, 現在我々が取り組んでいる去勢抵抗性前立腺癌に関する研究についてもあわせて紹介する.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ