76 歳以上高齢者に対する完全鏡視下幽門側胃切除術の検討

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  • Totally Laparoscopic Distal Gastrectomy for Elderly Patients with Gastric Cancer

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抄録

【はじめに】高齢者に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術(以下TLDG)の安全性とその有用性は確立されていない. 本論文では, 76歳以上の高齢者に対するTLDG の安全性と有効性を75 歳以下の症例と比較検討した. 【症例】2005 年4 月〜2009 年3 月までの間に行われた完全鏡視下幽門側胃切除138例のうち, 76 歳以上20例と75 歳以下の118 例について, 術中・術後合併症, 術後経過などについて比較した. 【結果】術前のASA status は高齢者群で有意に悪く(P= 0.013), 高血圧と呼吸疾患の合併は高齢者で多かった(P= 0.032/P= 0.005). 術中の出血量や手術時間, 入院日数などに両者の違いはなかった. 術後合併症は, 重症なものは両者に違いはなかったが, 創感染など軽微なものが高齢者に多かった. 術後1 年後の体重減少率や血液データなどに両者の違いは認められなかった. 【結語】背景因子には違いはあるが, 高齢者のTLDG は若年者と変わらず安全に施行可能であると考えられる.

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