胃癌におけるMAL遺伝子抑制の意義

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  • Suppression of MAL Gene Expression in Gastric Cancer Correlates with Metastasis and Mortality

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抄録

われわれは癌組織において極めて高頻度に発現が減弱または消失しているMAL遺伝子を同定した. その発癌と癌進展にかかわる分子機序を明らかにするために, 胃癌の株化細胞と臨床症例を用いた解析を行った. インフォームドコンセントを得た胃癌50症例を対象にReal time PCR にて半定量的にMAL発現量を求め, 予後および臨床病理学的因子との関係を調べた. 胃癌50例の37例(74%)は癌部においてMAL遺伝子の発現消失, 減弱を認めた(低値群). これを発現が比較的保たれている症例(高値群)と比較すると, 高値群は低値群に比し予後良好であった. また低値群はリンパ節転移陽性例が多い傾向を示した. MALは胃癌において極めて高頻度に発現が減弱, 消失していた. 本来MALはゴルジ体またはERにおける蛋白輸送によって過集積を防ぐ機能を有する分子として報告されていたが, 本研究でその発現喪失が胃癌進展に対しても深く関与することが示された.また,MA遺伝子が胃癌における癌抑制遺伝子であることを示した.

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