GPS記録計を用いた精玄米収量計測法

  • 田中 恒大
    九州大学大学院生物資源環境科学府環境農学専攻生産環境科学教育コース生産環境情報学研究分野
  • 平井 康丸
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門生産環境科学講座生物生産工学研究分野
  • 鹿内 健志
    琉球大学農学部地域農業工学科バイオシステム工学分野
  • 井上 英二
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門生産環境科学講座生物生産工学研究分野
  • 岡安 崇史
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門生産環境科学講座生物生産工学研究分野
  • 光岡 宗司
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門生産環境科学講座生物生産工学研究分野

書誌事項

タイトル別名
  • Measurement Method of Brown Rice Yield Using a GPS Logger
  • GPS キロクケイ オ モチイタ セイゲンマイ シュウリョウ ケイソクホウ

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説明

水稲生産において収量は,生産管理の評価と改善を行う際の基礎データである。本研究では,生産現場への普及が期待できる低コストの精玄米収量計測法を提案した。提案計測法は,カントリーエレベータ(C.E.)で計測される各出荷の精玄米重量と,低価格のGPSロガーで記録したコンバインの移動軌跡から求められる出荷に対応する収穫面積(出荷収穫面積)を用いて出荷別に精玄米収量(出荷精玄米収量)を計測する方法である。本研究では,福岡県糸島市の2名の農家(農家A,農家B)の収穫作業を対象に出荷収穫面積の計測精度を評価した。また,計測した収穫面積をC.E.で計測される精玄米重量と紐付けることにより,出荷精玄米収量を算定し,出荷間のばらつきを明らかにした。出荷収穫面積の計測誤差は,全31回の90%の28回の出荷において5%以内であった。誤差の主な原因はGPSの測位精度によるものであった。さらに,出荷精玄米収量の範囲および最頻値は,それぞれ農家Aが360~440kg/10aと380~400kg/10a,農家Bが380~480kg/10aと440~460kg/10aであり,農家Bにおいてばらつきが大きく,最頻値が60kg/10aほど大きいことが明らかになった。これらの結果は,低価格のGPSをコンバインに設置するだけで,これまで農家が感覚的に把握してきた収量が定量化できることを示唆するものである。

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