内視鏡的硬化療法後の胃酸逆流に対するプロトンポンプ阻害剤ラベプラゾールの治療効果の検討 : (24時間PHモニターを用いた無作為化比較研究)

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  • The Effect of Proton Pomp Inhibitor (PPI : Rabeprazole) on Reflux Esophagitis after Endoscopic Injection Sclerotherapy (EIS), a Randomized Control Study (24 hour-pH monitoring)

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【背景】食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(EIS)後の食道潰瘍は最も認められる合併症である.食道潰瘍は,疼痛の原因となり,悪化すれば潰瘍出血と狭窄形成が起きる.胃食道逆流(GER)は,潰瘍形成を悪化させる既知の原因である.従って,GERの薬剤であるプロトンポンプ阻害剤は,治療後の患者のQOLを改善する可能性がある.【方法】我々は,易出血性食道静脈瘤が認められ,内視鏡的硬化療法を受けた18例の患者をヒスタミンH2レセプター拮抗剤(H2 受容体遮断薬)(40mg 2x/day)を治療後1週間内服する群(H2-blocker群),またはプロトンポンプ阻害剤(PPI)(20m 1x/day)を治療後1週間内服する群(PPI群)に分け,胃食道逆流(遠位食道にもたらされる24時間のpH監視カテーテル検査),潰瘍形成所見(上部内視鏡検査),治療後の自覚症状について2群間で比較した.【結果】H2-blocker群では,EIS治療後,pH < 4.0で示す胃酸逆流時間は有意に増加したが,PPI群では胃酸逆流の時間は増加を認めなかった.胸やけと嚥下障害の日数はH2-blocker群に比べPPI群では有意に少なかった.(胸焼けp=0.017,嚥下障害p=0.042).内視鏡的に評価した潰瘍改善率もPPI群で早期に認められた(p=0.008).【結語】プロトンポンプ阻害剤であるRabeprazoleは内視鏡硬化療法後に合併する胃酸逆流による症状と潰瘍形成を改善する.

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