長期ステロイド内服患者の術後合併症におけるステロイド内服量の影響

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  • Impact of High Preoperative Steroid Doses on Postoperative Complications among Patients on Prolonged Preoperative Steroid Therapy

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抄録

コルチコステロイドは生体の恒常性を維持するのに必須なホルモンである.グルココルチコイドやその合成アナログであるステロイドは炎症性疾患や自己免疫性疾患に対して広く使用されている.長期間のステロイド治療により易感染,創傷治癒遷延,精神症状を引き起こすと報告されているが,術前のステロイド内服量と術後合併症との関連については言及されていない.種々の疾患に対し長期間ステロイド治療が行われ,全身麻酔下に外科手術を施行された25例を対象とした.ヒドロコルチゾンに換算したステロイド内服量(mg/day)の平均±標準偏差および中央値はそれぞれ39.2 ± 31.0,20であった.25例中10例に術後合併症を認めた.ステロイド内服量とClavien-Dindo分類による術後合併症の重症度は有意に正の相関を示した(p=0.0171).ヒドロコルチゾンに換算したステロイド内服量のcut-off値を80mg/day以上とした場合のClavien-Dindo分類III度の合併症の発生は感度100%,特異度87%であった.術前ステロイド内服量が80mg/day以上の患者では,術後重篤な合併症を引き起こしうる.より慎重な術式の選択などの工夫が肝要である.

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