ニホンジカの摂食圧増加にともなうスズタケの動態 : 九州大学宮崎演習林における2003年と2014年の比較

  • 長 慶一郎
    九州大学農学部附属演習林宮崎演習林
  • 榎木 勉
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門森林環境科学講座森林生産制御学分野
  • 鍜治 清弘
    九州大学農学部附属演習林宮崎演習林
  • 山内 康平
    九州大学農学部附属演習林宮崎演習林
  • 緒方 建人
    九州大学農学部附属演習林宮崎演習林
  • 椎葉 康喜
    九州大学農学部附属演習林宮崎演習林

書誌事項

タイトル別名
  • Dynamics of Sasa borealis (Hack.) Makino et Shibata community induced by the grazing of sika deer (Cervus nippon) : The change from 2003 to 2014 in Shiiba Research Forest, Kyushu University
  • ニホンジカ ノ セッショクアツ ゾウカ ニ トモナウ スズタケ ノ ドウタイ : キュウシュウ ダイガク ミヤザキ エンシュウリン ニ オケル 2003ネン ト 2014ネン ノ ヒカク

この論文をさがす

抄録

九州山地中央部に位置する九州大学宮崎演習林(2, 915ha)において, 2003年と2014年にスズタケの健全度調査を行い, ニホンジカによる摂食がスズタケの分布に及ぼす影響を評価した。2003年では三方岳団地(2, 282ha), 萱原山団地(146ha)の大部分でスズダケが消失していたが, 津野岳団地(487ha)ではほとんどの林地でスズタケが生育していた。2014年には三方岳団地および萱原山団地において前回の調査時に消失していたスズタケが回復した場所はなかった。一方、津野岳団地においてはスズタケの衰退が進行し, 大部分でスズタケが消失していた。津野岳団地で実施したスポットライトセンサスの結果, 近年の同団地におけるニホンジカ個体数に急激な増加が見られており, そのことが津野岳団地での急激なスズタケの衰退に繋がったと考えられた。また, スズタケが残存する場所の地形的特徴や林分の特徴などを検討した結果, 標高が低く, 施業が近年実施された場所でスズタケが残る傾向にあった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ