ニホンウナギ稚魚の遡上に最適なブラシ型Eel-ladder構造

  • 後藤 靖裕
    九州大学大学院生物資源環境科学府資源生物科学専攻動物・海洋生物資源学講座水産増殖学研究室
  • 望岡 典隆
    九州大学大学院農学研究院資源生物科学部門動物・海洋生物科学講座水産増殖学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Suitable Structure of Brush-type Eel-ladder for Upstream of Juvenile Japanese Eel Anguilla Japonica
  • ニホンウナギ チギョ ノ ソジョウ ニ サイテキ ナ ブラシガタ Eel-ladder コウゾウ

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説明

ニホンウナギの漁獲量は近年著しく減少しており,その要因の一つとしてダムや堰の設置による遡上阻害による生息域の減少が指摘されている.これら河川横断構造物に併設されている魚道は主に遊泳力の高い魚類を対象としており,遊泳力の乏しいシラスウナギやクロコの遡上には適さない.そこで欧米ではヨーロッパウナギやアメリカウナギ稚魚専用の魚道としてブラシ型などのEel-ladderが開発されており,本研究ではニホンウナギ稚魚にとって最適なブラシ型Eel-ladder構造について検討した. 実験は平均全長65.5±5.87mmのクロコ期個体を対象とし,ブラシ構造の傾斜および流量,そしてブラシを模したナイロン束の間隔について3~4条件を設定し,遡上成功数を計数,比較した.その結果,ナイロン束の間隔が最も遡上成功数に影響を及ぼしていることが明らかとなった。またブラシ板の傾斜は遡上成功数に大きく影響しているとは考えられず,流量の影響も限定的な条件下のみであった.今後,実際の河川を考慮した実験規模や黄ウナギ期の個体で検討することによって現場における活用が期待される.

緒言 材料と方法 結果 考察

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