後内側乳頭筋ついで前外側乳頭筋に起源をもつ特発性心室期外収縮に対して高周波心筋焼灼術を施行した1例

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  • 藤田 一允
    九州大学大学院医学研究院病態修復内科学
  • 入江 圭
    九州大学大学院医学研究院病態修復内科学
  • 森山 祥平
    九州大学大学院医学研究院病態修復内科学
  • 横山 拓
    九州大学大学院医学研究院病態修復内科学
  • 安田 潮人
    九州大学大学院医学研究院病態修復内科学
  • 深田 光敬
    九州大学大学院医学研究院病態修復内科学
  • 有田 武史
    九州大学大学院医学研究院病態修復内科学
  • 小田代 敬太
    九州大学大学院医学研究院病態修復内科学
  • 丸山 徹
    九州大学基幹教育院キャンパスライフ・健康支援センター
  • 赤司 浩一
    九州大学大学院医学研究院病態修復内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Radiofrequency Catheter Ablations of Left Ventricular Arrhythmias Originating from Posteromedial Followed by Anterolateral Papillary Muscles
  • Case Report : Radiofrequency Catheter Ablations of Left Ventricular Arrhythmias Originating from Posteromedial Followed by Anterolateral Papillary Muscles

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抄録

症例は61 歳の男性で全身倦怠感を主訴に来院した.ホルター心電図では右脚ブロック型で上方軸の心室期外収縮が頻発しており,心臓超音波検査では左室壁運動がびまん性に低下し左室駆出率が45%であった.薬物治療に抵抗性の心室期外収縮に対して心筋焼灼術を行った.臨床電気生理学検査では後内側乳頭筋でのペースマップが最良で,同部にプルキンエ電位も認めたため通電を行ったところ心室期外収縮は消失し左室駆出率も63%に回復した.しかし1年半後に右脚ブロック型で下方軸の心室期外収縮が頻発し始めたため前回と同様に心筋焼灼術を行った.臨床電気生理学検査では心室期外収縮は前外側乳頭筋に起源があり同部への通電で心室期外収縮は消失した.乳頭筋起源の不整脈は巣状興奮による場合が多いとされるが今回プルキンエ線維網を介する興奮旋回による機序が強く疑われた.また乳頭筋起源の心室期外収縮は致死的ではないものの心機能を低下させたり,心筋焼灼術に難渋するため注意深い経過観察が必要である.

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