The semantic functions of the auxiliary particle baa of the dialect of Kochi Prefecture

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  • 高知県方言の副助詞「バー」の意味機能
  • コウチケン ホウゲン ノ フクジョシ バー ノ イミ キノウ

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程度を表す「ばかり」は古く奈良時代に用例が認められ,先行研究によれば,時代を下るにしたがって限定の意味機能へ移行し,現代ではさらに強調機能が加わったと考えられる副助詞である。高知県方言では,この「ばかり」から変化したと言われる「バ(ー)」が,程度・限定の意味で全年層男女に頻用されるが,強調の意味機能は「バッカリ・バッカシ」が担い,現代共通語のみならず現代諸方言にも認められる「ばかり」の一般的変化は観察されない。つまり,高知県方言においては,同じ「ばかり」から変化した方言事象「バ(ー)」と「バッカリ・バッカシ」とがほぼ棲み分けられていることになる。しかし,周囲の四国・中国地方方言においては「バー」が「ばかり」からの変化形であることを裏づける音変化形が散在するものの,高知県方言と同じ機能を有する「バー」が微弱で,程度から限定・強調への移行状態を示す事象が主である。こうした瀬戸内海域を中心とした「ばかり」の変化形の存立は,周辺方言としての高知県方言の「バ(ー)」の古さを首肯させるが,音声上,最も進行した変化形「バ(ー)」の活発な状況は,古態性の残存というより,むしろ,高知県方言における「ばかり」の自己改新の姿と見るのが妥当であろう。

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