英語母語幼児の日本語におけるテンス・アスペクトの習得 : タ形・テイ形の習得状況からみたアスペクト仮説の傾向

書誌事項

タイトル別名
  • The tense aspect acquisition of an English-speaking infant in Japanese as a second language : The Aspect Hypothesis tendencies from the perspective of the acquisition level of ta and tei-forms
  • エイゴ ボゴ ヨウジ ノ ニホンゴ ニ オケル テンス アスペクト ノ シュウトク タケイ テイケイ ノ シュウトク ジョウキョウ カラ ミタ アスペクト カセツ ノ ケイコウ

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説明

アスペクト仮説(AH)は多くの言語の第一・第二言語習得において検証がなされている。AHによると,習得初期にタ形(タ)と到達動詞,テイ形(テイ)と活動動詞の共起性が高いとされる。橋本(2006a)は,日本語を第二言語とする幼児(L2幼児)1名においてAHの傾向を確認している。本稿では,結果の一般化に向けて別の英語を母語とするL2幼児1名の自然発話を縦断的に調査し数量的・記述的分析を行い,AHの傾向がみられるのかを検討した。結果は次の通りであった。1)本稿のL2調査対象児においてもAHの傾向を確認することができた,2)タ,テイの習得において固まり習得から創造的産出が始まると,AHの傾向が強くみられるようになった。結論として,初期はインプットや必要性に基づく固まり習得のためにAHに沿わない産出もあるが,動詞及び動詞接辞において分節化とカテゴリー化が進むとAHの傾向がみられるようになることを指摘した。アスペクトの習得プロセスには,固まりとしての習得とプロトタイプからの習得が複雑に絡み合いながら影響を及ぼしていることを明らかにした。

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