近代漢語の品詞性に見る多様性の画一化 : 形容詞用法を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • Changes in the Usage of Sino-Japanese Words in Modern Japanese : With a focus on the adjectival usage

抄録

会議名: 言語資源活用ワークショップ2017, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2017年9月5日-6日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター

本研究は,現代日本語書き言葉の模索~確立の時代にあたる近代に焦点を当て,日本社会の近代化に伴い飛躍的に語彙を増やした漢語について,語法(品詞性)の通時的変化の一側面を明らかにするものである。特に,「必要な」「偉大なる」「堂々たる」といった助動詞を伴い体言を修飾する形容詞用法を持つ二字漢語に着目し,近代語コーパスと現代語コーパスの用例分析に基づいて,使用実態と変化を確認した。その結果として,①近代と現代とで語法の変化が見られる語が少なくないこと,②変化の類型では,形容詞用法を失うもの(熟練,親善,優勝など),形容詞用法が減少するもの(非常,結構,幼稚など),増加するもの(愉快,貴重,相当など),の3類型が多いこと,③変化の背景には,語義の拡張・変化や,用法の固定化が関わること,④総じて,模索的で多様性を有していた状態から,安定・定着に伴い画一化していく方向性が見出だせること,等を示す。

source:http://pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/lrw2017.html

identifier:明治大学・日本学術振興会

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