対話場面における中国人日本語学習者の「と思う」の習得過程の一考察 : 『北京日本語学習者縦断コーパス(B-JAS)』のデータから

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タイトル別名
  • Study on Learning Process of to omou by Chinese JSL Learners in Dialog : Using Beijing Corpus of Japanese as Second Language (B-JAS) Data
  • タイワ バメン ニ オケル チュウゴクジン ニホンゴ ガクシュウシャ ノ 「 ト オモウ 」 ノ シュウトク カテイ ノ イチ コウサツ : 『 ペキン ニホンゴ ガクシュウシャ ジュウダン コーパス(B-JAS)』 ノ データ カラ

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抄録

本研究は,『北京日本語学習者縦断コーパス(B-JAS)』をもとに,中国人日本語学習者の対話場面における思考動詞「と思う」の4年間にわたる習得過程を形態面・用法面から分析したものである。分析の結果,まず形態面の習得過程について,「と思う」を,その単独使用,「と」に前接する表現(終助詞・助動詞)をともなう使用,「思う」に後接する表現(接続助詞・終助詞)をともなう使用に三分してみていくと,①単独使用,②前接表現の助動詞の使用,③後接表現の使用,④前接表現の終助詞の使用,⑤前接表現と後接表現の複合使用の順に習得が進んでいた。一方,用法面の習得過程は,①話し手の主観的認識を表す「意見評価」,②話し手の不確実な認識を表す「推量」,③話し手の希望や意思を示す「希望決意」や,聞き手への配慮から発話を婉曲的に表現する「断定回避」,および過去の記憶を述べる「回想」,④ある条件下での話し手の認識・判断を表す「条件的判断」,⑤話し手が発話時に断定できない事柄を明示して伝える「蓋然性判断」,⑥聞き手の意向を確認し,さらに聞き手の反応を期待する「相手伺い」の順で習得が進んでいた。

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