鷹場領主と地域・環境 : 幕末期の横井家鷹場を事例に

書誌事項

タイトル別名
  • Lord of the Hawking Grounds, the Community and the Environment: A Case Study of Yokoi's Hawking Grounds at the End of the Edo Period
  • タカバ リョウシュ ト チイキ ・ カンキョウ : バクマツキ ノ ヨコイカ タカバ オ ジレイ ニ

この論文をさがす

説明

本論文は、尾張藩の重臣である横井家の鷹場を対象とし、鷹場領主とはいかなる存在であるのか、また家の由緒と鷹場支配がどのように関わっているのかを検討したものである。その結果、明らかになったのは以下の三点である。第一に、知行権を有さない地域において、鷹場によって領民と支配・被支配の関係を結び、御救行為を行う主体として鷹場領主を位置づけた。第二に、「鷹の家」としての由緒を有する横井家が、かつての知行地において鷹場支配を復活させ、輪中という地域環境に応じた支配を行おうとしていたことを明らかにした。第三に、鷹場領主の限界性を指摘した。鷹場の復活によって鳥の生息環境が保護されたことにより、横井家の鷹場村々では深刻な鳥害が生じることになった。この環境の変化は鷹場内領民の生活・生存を脅かすことになる。そうした中で、村々は「御救」の論理を逆手にとって、鷹場の返上を求めていくことになるのである。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ