職業アイデンティティ形成過程における「対人的フィ-ドバック」および「自己との対話」の機能に関する考察~フィンランド オウル大学の事例(第2報)~

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  • Functions of "Interpersonal Feedback"and "Dialogical Self" in Vocational Identity Formation Processes: A Case Study at the University of Oulu,Finland(the 2nd Report)

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抄録

前稿(柳田2010)では「自己形成」を鍵概念に置いて、大学生の自己形成過程における専門分野での実習教育の意義を検討した。フィンランドのオウル大学での半構造化面接の結果、学生が専門分野の実習を通して対人的フィードバックを受け、また自己との対話を重ねていく過程から現状の専門性に対する自己適性を認識し、専門性の軌道修正が促されていることが推察された。この結果を踏まえて、本稿では「自己形成」概念が包含する「職業アイデンティティ形成」に焦点を当て、その形成過程で対人的フィードバックおよび自己との対話がどのように行われ、職業アイデンティティ形成に対して機能しているか半構造化面接をとおして考察した。結果、(1)対人的フィードバックが多方面から得られることにより、職業の現実を認識できる点で機能している、(2)自己との対話は対人的フィードバックと組み合わさって、より効果的に機能していることが示唆された。

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