アドホックネットワークの輻輳閾値

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  • Congestion Threshold of Ad-hoc Networks
  • アドホックネットワーク ノ フクソウシキイチ

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抄録

アドホックネットワークの輻輳閾値を解明するために、ネットワークモデルRandom Geometric Network(RGN)上でTCP/IP通信を想定したシミュレーションを行い、トラフィック輻輳を発生させた。その結果、RGNの輻輳閾値がランダムネットワークと比べて約7分の1と非常に低く、その原因はノードの集団間に存在するノードにトラフィックが集中し、輻輳が発生するためということが判明した。また、スケールフリーネットワークであるバラバシ・アルバートモデルと比較した結果、輻輳閾値はRGNの方が高いが、輻輳閾値以上にパケット発生率を増加させていくと、1ノードあたりのパケット発生率が0.036以上ではRGNのパケット到達率がバラバシ・アルバートモデルより低くなることがわかった。このことからRGNは一度輻輳が発生すると、以降は通信を行うことが非常に困難になることが判明した。RGNの輻輳耐性を向上させる手法としては、平均リンク数を増加させることが有効だということを確認した。これは、ノードの集団がネットワーク全体に及ぶような単一の巨大集団となり、ノードの集団間に存在するノードが存在し得なくなるためである。具体的には、平均リンク数が20のRGNは、平均リンク数が6のRGNと比べて3倍のトラフィック量までネットワーク上で輻輳を発生させずに通信を行えることがわかった。

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