『怪談』の中のハーン

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  • 『 カイダン 』 ノ ナカ ノ ハーン

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ラフカディオ・ハーン(1850-1904)の『怪談』(Kwaidan 1904)は、日本のみならず海外でもよく読まれている。また、日本では、中学校や高校の英語教科書にも「ムジナ」や「雪女」などが掲載されている。しかし、そもそも、なぜハーンは日本に伝わる昔話や説話などから、それらの物語を選んで『怪談』を作り上げたのだろうか。そこにはハーンを引き付けた何かがあったはずである。『怪談』の話には種本があることは本人も明らかにしているが、当然のことながらそれは単なる翻訳ではなく、ハーンなりの理解や解釈が入ったものである。それらの物語を読んでみると、孤独感、孤立感、疎外感など「ひとりであること」からくる感情が頻繁に見て取れる。そこで、本論考では、『怪談』の中から「雪女」と「耳なし芳一」を取り上げ、登場人物たちの「ひとりであること」がハーンにとってどのような意味を持っているのかについて考えてみたい。

Journal

  • ヘルン研究

    ヘルン研究 2 66-76, 2017-03

    富山大学ヘルン(小泉八雲)研究会

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