ウィトゲンシュタインの「原因-結果の言語ゲーム」への視点

書誌事項

タイトル別名
  • Wittgenstein's Perspective on "the Cause-Effect Language- game"
  • ウィトゲンシュタイン ノ ゲンイン ケッカ ノ ゲンゴ ゲーム ヘノ シテン
  • ウィトゲンシュタイン ノ ゲンイン ケッカ ノ ゲンゴ ゲーム エ ノ シテン

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説明

ウィトゲンシュタインは、因果性に関する考察をほとんど残してはいない。『論理哲学論考』では、トートロジーの考察に注目し、因果性についての積極的な論点は提示していない。問題は彼の後期哲学である。彼の「言語ゲーム」を機軸とする哲学において、科学言明や因果性について、どのような論点が示されているのかを明らかにすることが本稿での問題である。私が取り上げるのは『原因と結果:直観的把握』での考察である。ここでは、「反応」を始点とする「原因-結果の言語ゲーム」が提示されている。このゲームの分析を行うことで、もっと広い意味での「言語ゲーム」の視座をも明らかにできると思われる。本稿では、ウィトゲンシュタインが言語ゲームを導入する際のチェックリストを作成することを目標とする。このチェックリストによって、我々は因果連関を実在視する立場、論理的可能性を持ち出すことでパラドクスを生じさせる立場を回避することができるようになるはずである。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 23-1 59-74, 2002

    大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室

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