Money-Kyrieの“misconception"に関する一考察

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  • A study on Money-Kyrle's concept of misconception
  • Money Kyrie ノ Misconception ニカンスル イチコウサツ

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抄録

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心理療法の重要な作業の一つにくクライエントの"考える機能"を高めること〉が挙げられる。殊に精神分析に『おいては、精神機能における認識論的次元(思考thoughtや思考することthinkingについて探究する次元)についての探究が行われて以来、その作業が重要視されてきた。本論では、その"考える機能"について、認識論的次元からの精査の試みに新たな視点を投じるため、Klein派精神分析家であるMoney-Kyrleが提示した"misconcept量on"という概念に注目し、元々曖昧なままにされていたこの概念について、先行研究の吟味、及び事例による考察を交えながら、概念内容の明確化を図り、その概念の有用性を訴えた。misconceptionとはいわば、大方の人間においてその精神機能の根幹に存する、歪んだ"考える機能"である。それは誤った認識、誤った考えを産出する、"歪んだ思考装置"と呼べるかもしれない。.クライエントの深遠な心を探究する心理臨床家にとって、クライエントの援助の点でも、自己を省みる点、特に自身の"考える機能"を把握する点でも、misconceptionは非常に有効かつ重要な概念ではないかと思われる。

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