書誌事項
- タイトル別名
-
- A study on Money-Kyrle's concept of misconception
- Money Kyrie ノ Misconception ニカンスル イチコウサツ
この論文をさがす
抄録
論文
心理療法の重要な作業の一つにくクライエントの"考える機能"を高めること〉が挙げられる。殊に精神分析に『おいては、精神機能における認識論的次元(思考thoughtや思考することthinkingについて探究する次元)についての探究が行われて以来、その作業が重要視されてきた。本論では、その"考える機能"について、認識論的次元からの精査の試みに新たな視点を投じるため、Klein派精神分析家であるMoney-Kyrleが提示した"misconcept量on"という概念に注目し、元々曖昧なままにされていたこの概念について、先行研究の吟味、及び事例による考察を交えながら、概念内容の明確化を図り、その概念の有用性を訴えた。misconceptionとはいわば、大方の人間においてその精神機能の根幹に存する、歪んだ"考える機能"である。それは誤った認識、誤った考えを産出する、"歪んだ思考装置"と呼べるかもしれない。.クライエントの深遠な心を探究する心理臨床家にとって、クライエントの援助の点でも、自己を省みる点、特に自身の"考える機能"を把握する点でも、misconceptionは非常に有効かつ重要な概念ではないかと思われる。
収録刊行物
-
- 大阪大学教育学年報
-
大阪大学教育学年報 8 255-268, 2003-03
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390009224804977024
-
- NII論文ID
- 40020716402
- 120004845495
-
- NII書誌ID
- AN1055404X
-
- DOI
- 10.18910/11307
-
- HANDLE
- 11094/11307
-
- NDL書誌ID
- 027065222
-
- ISSN
- 13419595
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles