現象学からフーコーへ : 初期ジュディス・バトラーにおける身体論の変遷

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タイトル別名
  • From Phenomenology to Genealogy : Judith Butler’s Early Thought of the Body
  • ゲンショウ ガク カラ フーコー ヘ ショキ ジュディス バトラー ニ オケル シンタイ ロン ノ ヘンセン

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抄録

本稿は、J・バトラーの一九八〇年代における身体論を考察する。バトラーの代名詞といえる『ジェンダー・トラブル』における理論的観点は一挙に形成されたわけではない。それは八〇年代における思索を通じて、ゆっくりと形成されたのである。八〇年代のバトラーにとって、第一義的な問題は身体であり、ジェンダーもそのような思索の延長にある。身体とは何か、身体の問題にいかにアプローチすべきかという問題は、八〇年代のバトラーを悩ませた大きな問題であった。この問題へのアプローチは八〇年代を通じて、「現象学からフーコーへ」の移行として描くことができる。逆にいえば、現象学との対決は『ジェンダー・トラブル』におけるバトラーの理論を生み出すうえでひじょうに重要な契機だった。本稿では、私たちはバトラーの思索において現象学が果たした役割を明らかにし、それがいかにフーコーの系譜学へと移行するかを示したい。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 36 103-117, 2015-03-31

    大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390009224805409408
  • NII論文ID
    120005550109
  • NII書誌ID
    AN0020011X
  • DOI
    10.18910/51240
  • HANDLE
    11094/51240
  • ISSN
    02865149
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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