災害被害者の責任帰属についての検証 : テロは殺人とは違うのか

書誌事項

タイトル別名
  • Attributing blame to victims of murder and terrorism
  • サイガイ ヒガイシャ ノ セキニン キゾク ニ ツイテ ノ ケンショウ テロ ト サツジン ハ チガウ ノカ
  • サイガイ ヒガイシャ ノ セキニン キゾク ニ ツイテ ノ ケンショウ : テロ ワ サツジン トワ チガウ ノ カ

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説明

従来、第三者の災害被害者に対する責任帰属は本人の抵抗の意思や周りの環境によって変化するといわれてきた。この問題に関してアメリカでは9.11テロ事件以降研究が増加した一方で、日本での研究はほとんど行われていないのが現状である。そこで、本研究では帰属ラベルに「落ち度」、「隙」、「責任」を用い、さらにテロと殺人によって責任帰属が異なるのか否か検討をした。本研究の実験デザインは(被害者の意思(事件現場に自発的に行ったか否か):有条件・無条件)×(災害に遭遇する可能性:高条件・低条件)×(災害の種類:殺人条件・テロ条件)の3要因混合計画であった。その結果、被害者の自発的意思有条件の方が無条件よりも、災害に遭遇する可能性高条件の方が低条件よりも被害者に「落ち度」があるとされた。さらに災害に遭遇する可能性が低い場合には殺人条件の方がテロ条件よりも「隙」があるとされた。一方、帰属ラベルが「責任」の場合は条件間の差異は見出されなかった。以上から、帰属ラベルがテロ被害者への責任帰属に影響を与えることが示唆された。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 16 27-32, 2016

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

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