Electrooptic Effect of Nematic Liquid Crystals

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  • ネマチック液晶の電気光学効果
  • ネマチック エキショウ ノ デンキ コウガク コウカ

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One of the nematic liquid crystals operating at room temperature, N-(p-methoxybenzylidene)-p-n-butylaniline, was synthesized and its electrooptic effect was measured and discussed.It was concluded that mechanism of the electrooptic effect can be explained by two modes, i.e. a static mode at low electric field and a dynamic scattering mode at high electric field.

液晶とは,ある温度範囲で粘性の大きい液体のような流動性を示し,しかも結晶と同様な光学的異方性を備えている特異な一群の物質の状態を指す。また,その色や透明度などの光学的性質が,電場,磁場,温度などの外的条件によって敏感に変わる性質を持っている。液晶は分子の配列の仕方により,ネマチック,スメクチック,コレステリック相に分けられ,物質によっては,固相(結晶)と等方性液体との間に,上記の三つのうちの2~3の中間相を示すものもある。ネマチック液晶は,電圧印加により光透過度が敏感に変わることに注目して,種々の表示装置への応用が考えられている。そして,室温において液晶状態になる物質は応用面からのみならず,液晶の動作機構や物性を解明する上からも,大変好都合である。ネマチック液晶における光散乱機構の説明には,Williamsの強誘電体モデルやHeilmeierの動的散乱モード(DSM)による説明,更に非線型緩和誘電体としての説明等が提案されている。このうち,DSMは高電界での光散乱と,それに併う現象を比較的よく説明しているといわれている。しかし,anisylidene-p-aminophenyl acetateに関する電圧―電流特性の高電界領域でlogI-E1/2(I:電流,E:電界強度)の関係が成立しているということの他は,電流の温度依存性や,電流の活性化エネルギーとして得られる解離エネルギーの電界依存性や,その比例定数に関する詳細な報告がなされていない。また上記の種々のモデルが他のネマチック液晶にもそのままあてはまるかは明らかでない。我々は室温でネマチック相を示す液晶物質:N-(pmethoxybenzylidene)-p-n-butylaniline(MBBA)を合成し,その電気光学効果について測定した。特に電界強度―光透過度特性,電圧―電流特性,光透過度の過渡応答,これらの測定と同時に偏光顕微鏡観察を行なった。この結果より高電界領域と低電界領域とでは電気光学効果の動作機構が異なることを見出したのでその結果を報告する。更に電気光学効果に関するMBBAの特性定数及び劣化特性について,p-azoxyanisole(PAA),anisylidene-p-aminophenyl acetate(APAPA)と比較測定した結果についても述べる。

identifier:富山大学工学部紀要,22

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