レーザ反射光による表面形状の測定(第2報) : 平削あらさ標準面による回折

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タイトル別名
  • Measurement of Surface Profile by the Reflection of He-Ne Laser (2nd Report) : Diffraction from Surface Roughness Reference Specimens worked by Planing
  • レーザ ハンシャコウ ニ ヨル ヒョウメン ケイジョウ ノ ソクテイ 2 ヒラケズリア ラ サ ヒョウジュンメン ニ ヨル カイセツ

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抄録

type:Article

If worked metal-surfaces are illuminated straight by the low power He-Ne Laser, characteristic reflection patterns appear, which are indistinct as far as the usual light source is concerned.This fact is caused by the reason that the surfaces are covered with many small faces distributed at random. Authors already pointed out that it was able to measure the three-dimensional surface profile from those patterns. Then interference fringes by diffraction were found in the case of some surface roughness specimens worked by planing on account of the periodic arrangement of triangular grooves. The present paper describes about the experimental verification of diffraction theory on photographic recordings of diffracted spectrum obtained by each surface.Consequently, we made sure that interference fringes appeared clearly or scarcely according to the size and unevenness on the slopes of the triangular grooves.

加工法とその加工面の機械的機能を考える場合,加工面の幾何学的および物性的な立場から表面形状や諸性質を論ずることによって両者の関係がはっきり確立されることはよく知られたことである。前報では加工面の幾何学的形状誤差の一部である,表面の微細なおうとつを対象とする表面あらさを表示するための一つの重要な要素である,山の傾斜の分布状態の測定法について報告した。加工表面のおうとつの傾斜角の測定に関してはすでにいくつかの研究が発表されている。最近のものでは塚田らが二平面接触部の弾性変形に関して表面おうとつの突起を三角形で近似し,傾斜の算出法を平面研削加工面について解析している。一方,蓮沼らは変角光度計を用いて表面からの反射光分布を測定することによりおうとつの傾斜角分布を求めたり,触針電気拡大式表面あらさ測定機を改良して平均傾斜角を直読する方法を考案している。これらはいずれも特殊な装置かあるいは面倒な計算を必要とし簡単に求めることはできない。これに対して指向性が非常に優れているという特性を生かして,光源に小出力のHe-Neレーザ光を使用し,これを加工面に直接投射すると,従来の光源でははっきりしなかった特徴ある反射像が簡単に得られる。それは表面に存在する種々の傾きをもった微小平面に起因するもので,その反射像から三次元的な表面形状(特に傾斜角の分布状態)の測定が可能である。前報では平削加工面と研削加工面について実験を試みた。その際,平削面のように表面に周期的な形状をもつものに回折による干渉像と思われるものがいくつか表われた。本報ではその点についてさらに検討を加えたものである。金属面からの反射光の回折現象を取り扱った研究は虹面の研究としてなされている。藤本らは回折理論をダイヤモンド切削に適用し,断面曲線が三角波形の連なりと仮定して理論的,実験的に考察を加えさらに三角波形の斜面の微細形状の大きさと虹面の種類との関係を実験的に検討している。斉藤らは仕上面断面曲線が正弦波形をなすと考え,その場合の虹面現象を解析し実験的に確かめている。筆者らはその取り扱い方法という点で前者の考え方を適用し,平削加工面の断面曲線は三角溝が規則正しく配列しているとして解析を行なった。その結果,三角溝の大きさや形状によって反射光が強く表われたり,回折による干渉像が表われたりすることを確かめた。

identifier:富山大学工学部紀要,24(1/2)

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