初等・中等教育の国語科授業に活用し得る日本近代文学作品の読解の観点 : 定番教材を中心に

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  • ショトウ チュウトウ キョウイク ノ コクゴカ ジュギョウ ニ カツヨウ シウル ニホン キンダイ ブンガク サクヒン ノ ドッカイ ノ カンテン テイバン キョウザイ ヲ チュウシン ニ
  • ショトウ ・ チュウトウ キョウイク ノ コクゴカ ジュギョウ ニ カツヨウ シエル ニホン キンダイ ブンガク サクヒン ノ ドッカイ ノ カンテン : テイバン キョウザイ オ チュウシン ニ

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抄録

特集 新教職課程にむけて

本論では、作品構成の分析、タイトルの解釈、本文異同の調査とその意味づけ、先行作品との比較など、日本近代文学研究において用いられる基礎的な作品分析手法を、初等・中等教育の国語科授業にどのように活かすことができるのかについて考察した。考察の対象としたのは、ヘッセ「少年の日の思い出」、椋鳩十「大造爺さんと雁」、太宰治「走れメロス」である。いずれも小中学校の国語教科書に、長年にわたって掲載され続けてきた定番物語教材である。第一に、「少年の日の思い出」について、「ストーリー」と「プロット」との区別に基づく構成の分析が、いかなる読解の観点をもたらすのかを示した。第二に、「大造爺さんと雁」について、初出と初刊本との本文のちがいや、初出の前に予告されていたタイトルなど、本文異同を中心とした作品の周辺の調査が、解釈の補助線として有効に働くことを明らかにした。第三に、「走れメロス」について、過去の教科書本文や、先行作品の構成やタイトルとの比較を行うことで得られる新たな観点を探った。

収録刊行物

  • 大阪大学教育学年報

    大阪大学教育学年報 23 195-204, 2018-03-31

    大阪大学大学院人間科学研究科教育学系

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