ダニエル・パロキアのエピステモロジー

書誌事項

タイトル別名
  • The Epistemology of Daniel Parrochia
  • ダニエル パロキア ノ エピステモロジー

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説明

人間学・人類学 : 研究ノート

本稿の目的は、現代のエピステモロジー(科学認識論)を代表する人物のひとりであるダニエル・パロキアの哲学を明らかにすることにある。エピステモロジーとは主にフランスで展開されてきた科学哲学のことである。この哲学は個別の科学史に依拠しつつ、そこから哲学的テーマを引き出す仕事をおこなってきた。近年、その独自性は薄れつつあるものの、フランス哲学の重要な一側面として幾人かの哲学者に引継がれている。この分野の初期の代表者であるガストン・バシュラールの流れを汲み、フランソワ・ダゴニェを師にもつパロキアは、数学、論理学、物理学、技術論を主な専門領域として自身のエピステモロジーを展開している。パロキアは一方ではエピステモロジーの伝統を引継ぎつつも、他方で独自の哲学を提起している。しかしながら、今のところ日本において、その名前はほとんど知られていない。本稿では、はじめにパロキアのキャリアを紹介し、その人物像を明らかにする。彼の哲学は三期に渡って形成された。ついで、その著作をいくつか概観することで多方面に及ぶパロキアの関心を確認する。最後に主要著作の記述を追いながら、パロキアの主張について見ていく。われわれは、「ネットワーク」という概念を軸に据えることで、パロキアの目的である西洋哲学の体系性あるいは全体性の再検討を理解することができるだろう。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 39 93-106, 2018-03-31

    大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390009224811106432
  • NII論文ID
    120006414468
  • NII書誌ID
    AN0020011X
  • DOI
    10.18910/67885
  • HANDLE
    11094/67885
  • ISSN
    02865149
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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