外国語学部ベトナム語専攻におけるベトナム文学教育の実践報告

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タイトル別名
  • Báo cáo thực tế giảng dạy văn học cho sinh viên chuyên tiếng Việt khoa Ngoại ngữ
  • ガイコクゴ ガクブ ベトナムゴ センコウ ニ オケル ベトナム ブンガク キョウイク ノ ジッセン ホウコク
  • 教育実践報告 Bao cao thuc te giang day van hoc cho sinh vien chuyen tieng Viet knoa Ngoai ngu
  • キョウイク ジッセン ホウコク Bao cao thuc te giang day van hoc cho sinh vien chuyen tieng Viet knoa Ngoai ngu

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抄録

教育実践報告

本稿で報告する授業「ベトナム文学概論」の対象は3、4年生で、二学期に分けて行われた。この授業は学生の語彙を増やし読解力を高めつつ表現力を豊かにすることを目指す。同時に学生のベトナム文化への理解を深めることにも繋げる。一学期にはベトナム文学を俯瞰し、なかでも近代文学の各時期やそれぞれの代表的な作家及び作品を重点的に紹介した。その後、いくつかの伝説、諺、「歌謡」と言われる口承文学に触れ、ベトナム文化への理解を促した。また、ベトナム文学を語る上で不可欠な詩を数編紹介した。二学期に主に短編小説に焦点を当て、ベトナム文学界に於いて特に著名であるバオ・ニンとグエン・コン・ホアンの作品を教材として学習した。前者はベトナム戦争を題材にした世界的に有名な「戦争の悲しみ」という作品の作者で、後者は1945年以前の社会を風刺する数多くの名作を生み出した作者である。二学期末に収集した学生へのアンケート結果を分析した結果、全体的には目標に掲げた学生の「ベトナム文学・文化への理解」、「語彙力強化」、「読解力向上」はある程度達成したと考えられる。ただし、学生のベトナム語能力や学習意欲によって達成度に差異が存在することは否定出来ない。文学作品の原作を読むことにより学生の表現力もある程度豊かになったと思われるが、留学未経験者やベトナム語能力がいまだ発展途上にある学生は予習なしで授業参加すると上位学習者や留学経験者の学習速度に追従できず、場合によっては授業の進行に影響を与える可能性があることを来年度以降からは学生に認識させるべきである。また、授業速度や難易度の設定、中でも教材となる作品の選択においては、学生のベトナム語力の差を念頭に置き、慎重に熟慮すべきである。

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