ストレスチェックによる退職予測モデル

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タイトル別名
  • Survival analysis using the stress check data to predict employee turnover
  • ストレス チェック ニ ヨル タイショク ヨソク モデル

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原著

ストレスチェック調査票のデファクトスタンダードとなっている職業性ストレス簡易調査票では、集団分析として仕事のストレス判定図を用いることが推奨されている。しかし、職場改善の具体的な手がかりを得るためには、職場の客観指標を含めた多変量解析を行うことが有益であると考えられる。本稿ではその有効性検討の一例として、職場の退職者を予測するモデルの構築を試みた。全国展開している多拠点型サービス業企業のストレスチェックデータと、勤怠データやデモグラフィックを用いて、退職行動を予測するマルチレベル生存分析を行った。ストレスチェックに回答していない従業員もいることから、個人のストレスチェック結果を投入したモデルと、投入していないモデルを検討した。前者のモデルでは、働きがい、職場レベルの仕事や生活の満足度、残業時間、勤続年数、雇用形態、職場の在籍者数が、後者のモデルでは職場レベルの活気、職場レベルの身体愁訴、残業時間、年齢、勤続年数、雇用形態、前年の職場のアルバイト退職者率が退職と関連していることが示された。モデルの識別力は十分なものであり、ストレスチェックのデータを効果的に活用することで職場の退職などの客観的事象を予測できる可能性が示されたと考えらえる。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 18 1-9, 2018

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

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