抄録
type:text
本稿では、断り表現に関する日韓対照研究の動向を概観し、調査方法及び調査内容について研究方法の妥当性や問題点の検証などを試みた。断り表現のアプローチには、断り表現に持ちいられる言語形式の相違点に焦点を当てた言語形式的アプローチ、断り表現における社会的・文化的背景との関係に焦点を当てた社会言語学的アプローチ、そして第二言語取得における学習者の中間言語語用論に焦点を当てた言語教育学的アプローチが見られた。しかし、従来の研究では、断り表現を相手に対するフェイス侵害行為への補償行為として捉えていたため、ポライトな言語ストラテジーとしての断り表現に偏っている。断り表現の本質は、互いの利益の対立と衝突に動機づけられたフェイス侵害行為として現れるインポライトネスであり、今後インポライトネスの観点を取り入れた研究が必要不可欠であろう。
収録刊行物
-
- さいたま言語研究
-
さいたま言語研究 2 41-52, 2018
埼玉大学大学院人文社会科学研究科日本語専攻内 さいたま言語研究会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390009224813925376
-
- NII論文ID
- 120006455016
-
- ISSN
- 2432857X
-
- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1586/00018067/
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles