<原著>ビタミンB12の交代制勤務者(看護婦)の自覚的睡眠感に与える影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Vitamin B12 on Self-Evaluation for Sleep of Shift-Rotating Nurses
  • ゲンチョ ビタミンB12 ノ コウタイセイ キンムシャ カンゴフ ノ ジカクテキ スイミンカン ニ アタエル エイキョウ

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説明

交代性勤務者の睡眠感を改善する手だてとして,睡眠・覚醒リズム障害に効果があると言われているビタミンB12に着目した。大学病院で交代性勤務を行っている看護婦11名(平均年齢26.3歳)を年齢をマッチさせた2群に分け,片方にビタミンB12を1日1.5mg投与し,もう片方に偽薬を投与した。これは二重盲検試験で行った。同時に1力月間,東京都神経科学総合研究所心理学研究室にて開発されたOSA睡眠調査票を記入してもらい,日勤後睡眠,準夜勤後睡眠,深夜勤後睡眠,休日の睡眠,の自覚的睡眠感を比較した。Mann-Whitney U testを用いて解析したところ,4つの勤務体制後の睡眠におけるOSAから得られる5つの睡眠感因子のいずれにおいても,2群間で有意な差は認められなかった。この理由は以下のように考えられた。対象となった看護婦は,勤務のために不規則な睡眠となるがそれに適応できている動務者であるため, ビタミンB12がその睡眠感に影響を及ぼさなかった。また,看護婦の勤務体制が一応の原則はあるもののきわめて不規則であり,シフト幅も急速でかつ頻回であるためにビタミンB12が効果を発現する余地がなかった。

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