腫瘍塞栓性肺微小血管障害が疑われたROS1融合遺伝子陽性肺腺癌の一例

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  • シュヨウ ソクセンセイ ハイ ビショウ ケッカン ショウガイ ガ ウタガワレタ ROS1 ユウゴウ イデンシ ヨウセイ ハイセンガン ノ イチレイ

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症例は84歳、女性。3か月前に左上葉肺腺癌に対して、左上葉切除術+リンパ節郭清術を施行されpT1cN2MO StageⅢAの診断となった。手術検体でROS1融合遺伝子が確認されていた。呼吸困難を主訴に当院を受診し、胸部CTで両側に散在するすりガラス影と低酸素血症を認めた。造影CTで肺腺癌のリンパ節再発があり、凝固異常と心臓超音波検査で右心負荷・肺高血圧症を認めた。入院1週間で呼吸不全が急速に増悪しネーザルハイフロー管理が必要となった。臨床的に腫瘍塞栓性肺微小血管障害(PTTM)を疑い、Crizotinibによる肺癌治療を開始した。その後凝固異常・肺高血圧症は改善し第60病日には自宅退院した。今回の症例はPTTMにおける分子標的薬の有効性が示唆された。

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