縦隔血管腫の一例

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  • ジュウカク ケッカンシュ ノ イチレイ

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抄録

右乳癌に対する術前の造影CTにて前縦隔腫瘍が指摘された50歳代女性。右乳房部分切除が施行された後、縦隔腫瘍について精査された。CTでは、前縦隔左側に境界明瞭な径2cm大の類円形結節が認められ、造影では辺縁優位に著明な濃染が認められた。MRIでは、T2強調画像で全体に高信号を呈し、内部にsignal voidが認められた。また、3D MR digital subtraction angiography(MRDSA)を施行したところ、下行大動脈とほぼ同様の血行動態を呈しており、病変部は多血性腫瘍であると考えられた。ただしFDG-PET/CT検査では、病変部はSUVmax2.0であり、これは縦隔の生理的集積と同程度であった。それに対し診断的治療のため、前縦隔腫 瘍摘出術が施行された。病理所見上大小の異型に乏しい血管の増生が認められ間質は一部硝子様に変性しており、血管腫と診断された。多血成分を反映した、比較的径の大きな血管の集蔟も一部に認められた。

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