地域におけるライフスタイル変革の可能性 : 日本国内のトランジションタウンの事例から学ぶ

書誌事項

タイトル別名
  • The possibility of Lifestyle Innovation in a Region : Learning from a Case Study of a Transition Town in Japan
  • チイキ ニ オケル ライフスタイル ヘンカク ノ カノウセイ : ニホンコクナイ ノ トランジションタウン ノ ジレイ カラ マナブ

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抄録

研究の概要(和文):本研究では、社会経済システムの在り方や生活様式の見直しを具体化する活動として「トランジションタウン」に注目した。トランジションタウンは、①双子の危機(気候変動とピークオイル)、②レジリエンス、③リエコノミーとリローカリゼーションを基本理念とし、既存の都市をフィールドとした社会変革を志向する活動である。2006 年にイギリスで始められ、2008 年に日本に導入されたトランジションタウンは、全国各地で導入されている。藤野と浜松の活動主体へのインタビュー調査の結果、次の点が明らかになった。(1) 藤野と浜松の事例では、説明会を皮切りに、何をしたいかを話し合うワークショップにより活動が開始され、特色ある活動を展開し、地域に根付きつつある。(2) トランジションタウンの活動は、食・エネルギー・住・森林・教育・安全・経済・まちづくり・健康・精神・広報等、多岐の分野にわたる。これらの活動は、内容の新しさ、自由自在な多発性、アマチュアに留まらない専門性、という点で変革的である。(3) 藤野の地域通貨、浜松のフォレストガーデン等の活動は、コンヴイヴイアリテイ(自立共生)を具現化している。脱依存や創造性、自発性を重視する点で、環境配慮の普及に係る行政施策は学ぶべき点がある。(4) 域内での活動形成、一般への普及、地域間の普及において、専門的なノウハウやネットワークが活かされており、今後も活動が根づき、拡がりを示す可能性がある。

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