日本における再生可能エネルギーの地域付加価値創造 : 日本版地域付加価値創造分析モデルの紹介、検証、その適用

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タイトル別名
  • Regional Value Added Analysis of Renewable Energies in Japan : Verification and Application of Regional Value Added Modelling in Japan
  • ニホン ニ オケル サイセイ カノウ エネルギー ノ チイキ フカ カチ ソウゾウ : ニホンバン チイキ フカ カチ ソウゾウ ブンセキ モデル ノ ショウカイ 、 ケンショウ 、 ソノ テキヨウ

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抄録

和文:再生可能エネルギーを中心とした「エネルギー自治」の取り組みは、環境的な側面だけでなく、地域経済の強靱化への取り組みである。ドイツにおいて、エネルギー・ヴェンデを推進しようとしている自治体では、連邦政府を上回るレベルで気候変動対策目標を掲げると同時に、地域経済効果を狙っている。ベルリンにあるエコロジー経済研究所は、バリュー・チェーン分析を用いて、地域付加価値を精密に計るモデルを開発した。本稿では、このバリュー・チェーン分析を日本版にアレンジし、この分析モデルの特性を、実際のプロジェクトのケーススタディを通して検証した。さらに、「エネルギー自治」の先駆者である長野県飯田市における再生可能エネルギー事業に適用することで、2030年に向けた地域付加価値創造額のシミュレーションを行った。こうした事業は、投資段階よりも事業運営段階の方が、多くの付加価値を生み出す。そのうち、もっとも大きな部分は、事業者の税引き後利潤である。つまり、事業者が地域内になければ、得られた付加価値は地域外に流出する。地元からの出資比率を高め、地域がオーナーシップを持つことが、持続可能な地域の発展の鍵となる。このような地域経済の定量評価ツールは、自治体レベルでのエネルギーや気候変動に関する政策の策定に役に立つ。地域のステークホルダー間のコミュニケーションをサポートし、合意形成を容易にすることができる。

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