沖縄県宮古島市大神島における観光地化と島民意識

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タイトル別名
  • オキナワケン ミヤコジマシ オオカミトウ ニ オケル カンコウチカ ト トウミン イシキ
  • A Gentle Sightseeing Spot and Islanders' Perception in Ogami Island, Miyakojima city, Okinawa Prefecture

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抄録

type:Article

沖縄県宮古島市大神島は,宮古島の北約4kmに位置する人口30人弱の島である.島民の過半数が80歳以上で,年金生活者がほとんどである.子どもがいなくなり,中学校も2008年度から休校となりその後廃校となった.若者もおらず産業も乏しい島で,観光客の姿はめったに見られなかった.しかし,宮古島との定期船は,休校後も1日4~5往復運航され,近年日帰り観光客の姿が見られるようになった.大神島には,最高地点からの美しい眺望と豊かな自然以外に名所旧跡は少ないながら,緩やかな観光地化がみられる.島の集落の奥に小さな商店が1軒だけあったが,Uターンした定年退職者により,典型的な限界集落である大神島大神集落に,2013年4月に食堂兼民宿が開業し,観光客だけでなく島民にとっても便利になった.島でののんびりとした時間を求めて訪れる観光客に対して,多くの島民は好意的である.ただし,御嶽に入らないことが条件とされている.本研究の目的は,名所旧跡が少ないにもかかわらず,観光客が増加傾向にある要因を解明すること,観光地化や食堂兼民宿開業後の島民意識の変化について,性別および島外での居住歴の有無による属性比較を含め分析することである.

収録刊行物

  • 法政地理

    法政地理 47 43-59, 2015-03

    法政大学地理学会

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