日本の諸都市における霧発生日数の経年変化

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タイトル別名
  • ニホン ノ ショ トシ ニ オケル キリ ハッセイ ニッスウ ノ ケイ ネンヘンカ
  • Secular Change of Fog Frequency in some Japanese Cities.

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抄録

type:Article

日本の気象官署で把握されている霧の観測値を用いて,1951~2000年間における霧の発生日数の地域性や季節性ならびにその経年変化について気候学的視点から追究を試みた 本研究で得られた知見は次のとおりである.①対象とした50年間における霧の発現には地域的な偏りや季節的な特徴が存在する.②日本における霧の発生に見られる地域性や季節性から,移流霧や放射霧などが主要と思われる.③霧の発生日数の経年変化では,多くの地点で減少傾向にあるしかも,その傾向は内陸の盆地に位置する地点で顕著である.④東北日本の太平洋沿岸部の地点では,霧の発生日数の経年変化が微増傾向にあり,特異な地域である.⑤霧の発生日数の経年変化の減少傾向には,特定季節の相対湿度の低下や気温極値の上昇率の大きさが関与していると思われる.⑥霧の発生日数の経年変化に対する都市化の影響を,人口の変化に置換して対応を試みた結果,人口100万人を超える大都市では負の相関が伺われた.しかし,この点に関しては今後の更なる検討が求められる.

収録刊行物

  • 法政地理

    法政地理 44 15-30, 2012-03-22

    法政大学地理学会

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