<研究ノート>日本におけるブドウ栽培地の分布とその気候環境への追究

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タイトル別名
  • ニホン ニ オケル ブトウ サイバイチ ノ ブンプ ト ソノ キコウ カンキョウ エ ノ ツイキュウ
  • <Research Notes> Investigation of Geographical Distribution and Climatological Elements of Grape-growing Areas in Japan

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抄録

type:Article

本研究では日本におけるブドウ栽培の分布を把握し,耐寒性を考慮したブドウの収量とその栽培地における各気候要素との関係について明らかにすることを目的とした.解析対象期間は,1993~2006 年(計14 年間)で,結果樹面積10 a あたりの収量(kg)である単位収量(kg/10 a)を算出して用いることとする.本稿で採用する気候要素は,温量指数,気温日較差,降水量,日照時間,可能蒸発散量,および水過剰量とし,単位収量との関係を考察する.その際,ブドウの耐寒性における品種差を考慮するため,都道府県別に主として栽培されている品種をもとに,耐寒性が強い,中程度,弱いの3 地域に区分をして追究を試みた.その結果,成長期間全体(4~9 月)においてはブドウの収量と気温日較差が3 地域とも比較的高い相関を示した.月別にみると8 月の気温日較差とブドウの単位収量との間で相関関係が良い.また,主として耐寒性が強い品種が栽培されている地域で,成長期間全体においてブドウの収量との相関が高かったのは,温量指数と可能蒸発散量であった.両者とも気温に由来する指数であり,月別にみると特に6 月にやや高い相関が認められた.

収録刊行物

  • 法政地理

    法政地理 49 67-78, 2017-03-17

    法政大学地理学会

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