小地域の観光経済規模推定手法の開発 : 鉄道駅・路線別GDPの試算

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タイトル別名
  • ショウチイキ ノ カンコウ ケイザイ キボ スイテイ シュホウ ノ カイハツ : テツドウエキ ・ ロセン ベツ GDP ノ シサン
  • Development of A Method to Estimate Small Area GDP : A Provisional Estimation of GDP by Railroad line

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抄録

type:Article

日本では、2012年に実施された「経済センサス-活動調査」によって、初めて共通の調査フレームワークのもとで全産業を対象として事業所の生産活動の詳細が調査された。事業所を対象とした調査の利点の1つは、生産活動の場所を特定化できることである。これにより、一定範囲内に立地する事業所の活動を集計すれば、市区町村のような小地域はもとより、理論的には行政区画に制約されずに自由に設定した地域における生産活動についても正確に把握することが可能となる。本研究の目的は、ここで述べたような視点に基づき、事業所を対象とした供給サイドの統計調査を活用し、小地域の観光規模把握手法を開発することである。本稿では、1つの事例として、「経済センサス-活動調査」の町丁大字別集計結果、「宿泊旅行統計調査」の個票データ、市区町村別産業連関表およびインターネット上から収集した飲食店検索サイト・ホテル予約サイトの個別事業所に関する情報等を用いて、東京都23区内の鉄道駅および鉄道路線を単位とした産業別GDPの推計を試みた。 分析の結果、23区内で産み出されるGDPには地域的な偏りがあること、対個人サービスよりも企業向けサービスの生産が23区内のGDPの大きな部分を占めていることなどが明らかとなった。更に宿泊業のGDPに関する分析からは、空港からの乗換回数が宿泊業の立地に影響を与えている可能性が示された。これらの分析は、都道府県あるいは市区町村レベルの統計データのみでは行うことができないものであり、市区町村より小さな地域を単位とした集計の必要性を示唆するものであった。

収録刊行物

  • 研究所報

    研究所報 49 29-44, 2017-08-01

    法政大学日本統計研究所

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