文化財保護領域における行政と市民との協働の実態と課題 : 「市民的公共圏」実現の視点から

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Actual Situation and Problems of Collaboration between an Administration and Citizens in the Field of Cultural Property Protection : From the Viewpoint of realizing a “Civil Public Sphere”
  • ブンカザイ ホゴ リョウイキ ニ オケル ギョウセイ ト シミン ト ノ キョウドウ ノ ジッタイ ト カダイ : 「 シミンテキ コウキョウケン 」 ジツゲン ノ シテン カラ

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説明

文化財保護の領域においては市民によって組織されたNPO法人など文化財の保存・活用を支援する市民団体が「市民的公共圏」(非制度的公共圏)の一翼を担い得る組織として大いに期待されている。しかし、NPO法人である「文化財支援団体」の実態は不明なところが多く、その組織が抱える課題等についての研究は行われてきていない。そのため最初に文化財保護行政上の市民の位置づけの沿革や1990年代以降の文化財保護行政の中での市民を意識した政策、次に市民協働についての制度保障や文化財保護法改定での市民参画の現状などを明らかにした。その上で国内で活動するNPO法人の文化財支援団体に対して実施したアンケート調査の結果から市民によって組織されたNPO法人の文化財支援団体が運営スタッフ、財務、活動における学術性、団体の継続性、行政との協働関係などにおいて多くの課題を内包しており、文化財保護の領域では「市民的公共圏」という世界を十分に描ききれていない状況にあることを明らかにし、今後の研究課題を提示した。

収録刊行物

  • 現代福祉研究

    現代福祉研究 20 1-19, 2020-03-01

    法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会

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