臨時休業から得る授業改善への一考察 : 高校学習段階におけるスローラーナーとの授業の在り方

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抄録

新型コロナウイルス感染症拡大から,政府による緊急事態宣言を受け,学校教育が2020年3月より前代未聞の,そして長期にわたる臨時休業に直面したことは記憶に新しい。この臨時休業はこれまでの学校教育の在り方について,生徒や保護者,教員,行政その他関係諸機関に多くの問題意識を投げかけるものになった。これまで誰もが「当たり前」として疑うことなかった授業スタイルや学校行事の在り方,部活動の指導方法など,場合によってはこれまでの習わしを根底から覆すような結果も招いていることは承知のとおりである。このような状況において,本論では,筆者の勤務校三年生への対応を例にとり,主として以下の点に焦点を当てて考察を深める。(1) 臨時休業中の学習支援の在り方。(授業方法,課題の内容や提出方法,評価方法など。) (2) 臨時休業を経て,現在に至るまでの授業の変化。(授業スタイルの変化,教員や生徒の授業に対する意識の変化。学年団の視点,英語科の視点,担任の視点,筆者個人の視点などから見えてきたもの。) (3) 生徒との関係性構築方法について。 拙い実践報告ではあるが,高校教育段階でスローラーナー1 に対する学習支援の在り方を切り口に,小学校や中学校,大学の先生方と連携を図り,この難局を乗り切るための糧としたい。 多くの議論を通し,感染症拡大収束の見通しが立たない中でも授業改善の継続をベースに,生徒の自己実現に資する英語教育をより一層充実させるため,筆者自身の実践報告も交えながら多角的多面的に考察し,生徒の学びを止めないために我々ができることは何であるのかを整理することも本論の目的である。

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