Diagnostic Methods for Athletes′ Psychological Competitive Abilities and Psychological States before and during Competition

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タイトル別名
  • Diagnostic Methods for Athletes' Psychological Competitive Abilities and Psychological States before and during Competition
  • Diagnostic Methods for Athletes Psychol

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説明

筆者らはスポーツ選手の心理的競技能力を診断する方法を検討してきた。その第1は精神力の内容とその診断法である。「精神力」という言葉が意味する内容を明らかにするために調査を繰り返えし行い,因子分析の結果,競技場面で必要な一般的傾向として「競技意欲」「精神の安定・集中」「自信」「作戦能力」「協調性」の5因子を抽出した。さらに,その内容を分類し忍耐力,闘争心,自己実現意欲,勝利意欲,自己コントロール能力,リラックス能力,集中力,自信,決断力,予測力,判断力,協調性の12尺度を抽出した。このようにして「精神力」を診断する質問紙として,「心理的競技能力診断検査(DIPCA.2,中学生〜成人用)」を開発した。これらの能力は競技レベルが高い選手,経験年数の長い選手,実力発揮度の高い選手,競技成績が優れている選手ほど高い得点を示すことが明らかにされた。第2は試合前の心理的コンディショニングの診断法である。ある大会に備え,数ヵ月前から身体的コンデでショニングは当然ながら,心理的準備ができていなければならない。同様の統計的手続きを経て,日常生活や練習の中で必要とされる内容として,忍耐度,闘争心,自己実現意欲,勝利意欲,リラックス度,集中度,自信,作戦思考度,協調度を抽出した。そして心理的コンディショニングを診断する質問紙として「試合前の心理状態診断検査(DIPS-B.1)」を作成した。第3は,競技中の心理状態の診断法である。試合中の心理状態をチェックする質問紙として「試合中の心理状態診断検査(DIPS-D.2)」を作成した。試合中の心理状態が50点に近くなることが望ましく,実力発揮度の高い選手ほど得点が高いことが明らかにされている。また,「特性」としての心理的競技能力や「状態」としての試合前の心理状態が優れている選手は試合中の心理状態が優れていることも明らかである。以上のように,精神力は「特性」としての「心理的競技能力」,「状態」としての「試合前の心理的状態」や「試合中の心理状態」として捉えることが重要であり,それぞれを診断し,それを高めることが必要である。

収録刊行物

  • 健康科学

    健康科学 20 15-20, 1998-03-16

    九州大学健康科学センター

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