沖の島の魚類-I : 沖の島産魚類目録の予報

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タイトル別名
  • Fishes of the Island of Okino-shima-I : A Preliminary Check List of the Fishes of the lsland of Okino-shima
  • 沖の島の魚類-1-沖の島産魚類目録の予報
  • オキ ノ シマ ノ ギョルイ 1 オキ ノ シマサン ギョルイ モクロ

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抄録

ここでの沖の島は,いわゆる筑前沖の島で,福岡市の北北西約77km,東経130゜06',北緯34゜15'に位置し(Fig. 1),玄界灘の北,東対馬水道海域のほぼ中央に浮かぶ周囲約4km,面積およそ9.4km^2,標高243mの小島で,その南東に小屋島,天狗岩及び御門柱と呼ばれる三つの属島を伴っている(Fig.2).島は福岡県宗像郡大島村に属すが,宗像大社の沖津宮として島全体が神域とされ,その原生林は大正15年に天然記念物に指定されている.沖の島の生物相に関する学術調査の経緯については,大島(1934a),江島(1977)等によって詳述されているのでここでは割愛するが,それらの大部分は陸上生物についてのもので,海産生物についての調査報告は,池田・安元(1933),大島(1934b),桧垣(1965),上野・酒井(1971)の4報をみるにすぎず,特に魚類については上野・酒井(前出)が漁獲物より18科20種を挙げているのみである.著者らは,1982年より沖の島の海産生物の生態調査を行っているが,1985年7月までに潜水によって計63科131種の魚類の生息,分布を認め,その内,44科86種を採集することが出来たので報告する.沖の島における調査に当っては,宗像大社より調査の主旨を御理解頂くと共に,上陸の御了解を得た.ここに厚く御礼申し上げる.また,九州大学名誉教授塚原博博士,九州大学農学部助教授中園明信博士及び古川哲二技官には,調査の実施についてのあらゆる面で大変御世話になった.さらに,中園明信博士には,福岡北部沿岸の津屋崎に出現する岩礁性魚類の季節的消長について御教示を得た.宗像郡大島漁業協同組合からは,潜水調査と魚類採集について御快諾を頂いた.九州大学農学部水産学第二教室の大学院院生及び学生諸兄には採集等の御協力を得た.また,福岡県福岡水産試験場の日高健技師からは筑前海域の海水温の観測資料を提供して頂いた.英文要約は,田中達男記念生物実験所のDr.Jack T.Moyerに校閲して頂いた.最後に,本論文の御校閲を得た九州大学農学部教授奥田武男博士に深謝の意を表す.

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