エツCoilia nasus Temminck et Schlegelの生態的研究 : III.筑後川における仔稚魚の出現生態と食性

書誌事項

タイトル別名
  • Ecological Studies on the Engraulid Fish, Coilia nasus Temminck et Schlegel : III. Appearance and Feeding Habits of the Juvenile in the Chikugo River
  • エツCoilia nasus Temminck et Schlegelの生態的研究-3-筑後川における仔稚魚の出現生態と食性
  • エツ Coilia nasus Tem

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説明

筆者らはエツ資源の保護と増殖を目的として本種の生態研究を行っているが,本報では筑後川下流域における稚魚網と幼魚網採集およびその河口部沖合いにおける繁網採集により,卵稚仔を中心としてその出現生態と環境との関係および食性について明らかにした.1)筑後川下流域においてエツの発育初期の仔稚魚は,感潮域内の海水と淡水の境界域に形成される高濁度水域およびその上流の淡水部を生育場としている.2)成長に従ってその境界域を越えて河口域へと移動し,全長約110mmに達したものから降海する.3)エツ仔稚魚は発育初期に枝角類を選択的に捕食し,成長とともにカイアシ類を摂餌するようになる.4)口の発達と餌生物の大きさの変化との間には対応がみられる.5)エツの仔稚魚ばかりでなく成魚においても餌生物は長さ8.0mm以下の小型のプランクトンがほとんどであり,生活史を通じてプランクトン食性である.

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