ハネケナガツヤコバチのヤノネカイガラムシに対する探索行動と産卵行動 : 1.寄主の葉上分布様式と寄生蜂の探索行動

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  • 梶田 泰司
    九州大学農学部生物的防除研究施設天敵増殖学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Searching and Ovipositing Behaviour of Aspidiotiphagus citrinus (Craw), a Parasite of the Arrowhead Scale, Unaspis yanonensis (Kuwana) : 1.Distribution of the Hosts on the Citrus Leaf and Searching Behaviour of the Parasite
  • ハネケナガツヤコバチ ノ ヤノネカイガラムシ ニ タイスル タンサク コウドウ

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抄録

本報ではハネケナガツヤコバチの探索行動に影響をおよぼすと思われるヤノネカイガラムシの葉上分布様式と,寄主を人為的に配列したガラス板上とヤノネカイガラムシ雌雄の定着しているミカン葉上でハネケナガツヤコバチの探索行動を調査した.1.ヤノネカイガラムシ雌はミカン葉の主脈,支脈および葉縁に定着しており,その隣接個体問距離は葉面あたりの密度の増加にともない小さくなる傾向がみられた.雄は葉脈と葉脈との間にコロニーを形成して定着しており,その隣接個体間距離は密度の影響をうけず,約0.5mmであった.2.ガラス板上におけるハネケナガツヤコバチは産卵行動を示す前(寄主に遭遇する前)は大きくカーブするように蛇行してはやい速度で歩行したが,産卵行動後には小刻みに蛇行するようにおそい速度で歩行した.しかし,しばらくの間産卵行動を示さないと産卵行動前のように大きくカーブするように蛇行してはやい速度で歩行した.3.ミカン葉上におけるハネケナガツヤコバチは葉脈と葉脈との間に定着しているヤノネカイガラムシ雄に産卵行動を示した後,蛇行するように歩行した.しかし,主脈に定着しているヤノネカイガラムシ雌に産卵行動を示した後には主脈に沿って直線的に歩行した.

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